
リスクマネジメントとは?
一般にリスクは「不足の損失」と定義されていますが、リスクマネジメントは、発生したリスクにどう対処するかといった事後処理的な管理手法ではありません。
- ①リスクを未然に回避・排除すること
- ②回避・排除できない場合にはその発生を防止すること
- ③それでも発生するリスクによる損失額をいかに軽減するかを考えること
- ④そして発生した損失に対しては資金手当てを迅速に、経済的に行い迅速な現状復帰を図る
といった一連の対策を総称してリスクマネジメントといっています。
つまり、リスクマネジメントとは、「リスクコスト」を最小限に抑えることにより企業の成長と安定に寄与するマネジメント手法なのです。
リスクマネジメントの対象となるリスクとは?
リスクはあらゆる活動に付随しているもので、自然災害・事故等のリスク、法務・人事等の企業内部のリスクや、株式投資・為替投機・海外進出・新商品開発等のリスクなど多種多様なリスクがあります。
リスクマネジメントで基本的に対象とするリスクとは、火災・賠償・盗難・事故といった、損失のみを発生させ、利得の機会をともなわないリスクであり、これらは「純粋リスク」(Pure Risk)と呼ばれています。
これに対して、損失と同時に利得の機会も併せ持つリスクを「投機的リスク」(Speculative Risk)と呼び、こちらは基本的にはリスクマネジメントの対象には含まれません。
企業のリスク
現代の企業リスク
あらゆる企業活動には必然的に不確実性(リスク)がともないます。リスクが顕在化すると目的の達成を阻害することになります。最悪の場合は、倒産せざるをえない事態に至るケースもあります。
企業の3大要素といわれる、「ヒト」・「モノ」・「カネ」に今日では「情報」も加えて4大要素といわれています。その要素それぞれにリスクが挙げられます。
「情報リスク」は、
①情報システムの途絶によるリスク
②情報そのものから発生するリスク
に分けられます。
個人情報・企業情報が電子化されたことから発生するリスクは、21世紀の社会・企業が直面する大きなリスクとなり情報のセキュリティが大きな課題となります。
※従来の日本型経営の問題点と将来の課題
「ヒト」・・・『終身雇用・年功序列・福利厚生・退職金など』⇒『景気の動向・労働者意識の変化など』
「モノ」・・・『大量生産・大量消費・設備投資・海外進出』⇒『公害・環境問題・海外進出のリスク・製造物責任(PL)
「カネ」・・・『金融機関の積極的融資・高金利・土地神話』⇒『貸し渋り・貸し剥がし・低金利・資産価値の下落』
※企業リスクの分類
・災害・事故リスク
「自然災害」・・・地震・津波・台風・竜巻・火山噴火・地滑り・洪水・干ばつ
「事故」・・・火災・爆発・交通事故・労災事故・船舶事故・航空機事故・停電事故・ガス事故・通信事故
・政治、経済、社会リスク
「政治リスク」・・・戦争・革命・内乱・貿易摩擦・輸出入規制・規制強化・規制緩和・国家収入
「経済リスク」・・・為替変動・金利変動
「社会リスク」・・・消費者パワー・風評・企業テロ・ネット侵入
・経営リスク
「法務リスク」・・・PL・リコール・知的所有(財産)権・環境汚染・独禁法違反・役員責任(D&O)・インサイダー取引
「財務リスク」・・・投資失敗・不良債権・企業買収・債権リスク・株価変動・デリバティブ
「労務リスク」・・・労働争議・雇用問題・社員役員の不正や犯罪・過労死・自殺・機密(情報)漏洩・差別・退職金・年金債務・スキャンダル
情報リスク
今日、コンピューターに大量のデータを蓄積し、顧客や消費者などと直接、オンラインで結ぶサービスが一般化しています。
そのためシステムの事故や故障・欠陥が、社会的な大きなインパクトを持つようになってきました。
情報システムリスクの原因
情報システムの事故発生原因は非常に多岐にわたります。
①自然災害リスク
自然災害は不可抗力的に発生するリスクですが、大災害に対する危機管理プログラムを作成し、経済・社会的被害が拡大しないような最善の対応策を準備しておくことが重要です。
システムのバックアップ体制の確立、代替システムによるサービスの維持、迅速な復旧体制の準備等が非常に重要となります。
②事故・障害
火災、停電、ケーブルの切断、ハードウェア障害、その他さまざまなシステム障害が発生します。
これらの障害は不可抗力な自然災害と比べ人災的要素が強く、適切な事故発生防止・損害軽減措置が効果的に機能するところです。
また、それを取り巻く建物、道路、企業組織、社会状況などが事故や障害の原因となっている場合も多く、これらを考えた予防体制と緊急対応策を考えておくべきです。
③エラー
プログラムエラー、データの入力エラー、システム操作上のエラーなどがあります。
特に入力エラーは、入力された1つのデータ自体はささいなエラーに思えますが、そこから発生する損害は莫大なものになる可能性があります。
エラーの多くは、適切な教育訓練・労務管理等により発生件数を減らすことが可能です。
④コンピューターへの不法侵入
⑤ウィルスによるデータ破壊
また、『企業秘密』に関する情報漏えいの経路をまとめると以下のような場合があります。
※『企業秘密』の情報漏えいの経路
・システム開発外注先、入力代行業者、派遣オペレーター・退職者、派遣社員、役員、従業員、訪問客、見学者
・会計事務所、弁護士、コンサルタント
・政府等の調査、調査会社
・販売代理店、業務委託先、業務提携先、取引先、顧客、OEM製造委託先
・イベント、見本市、学会発表
・清掃会社、回収業者
・産業スパイ、外国諜報機関、総会屋、暴力団
・広告代理店、出版社、印刷会社
以上のようなリスクに対する対策を私共にご相談下さい。
リスクが顕在化してからでは手遅れになります。早期の相談、早期の解決を一緒に行いましょう。
リスクコスト
常に存在するリスクはコストを発生させます。
リスクが顕在化する時(リスク発生頻度)とその損失規模(リスクの重度)の予測は非常に難しいものです。
さらに、地震・台風などの自然災害のように、その発生が不可避的なもので企業努力の範囲を超えたリスクも多々あります。
したがってリスクマネジメントのプログラムを評価することはなかなか難しいのですが、欧米では純粋リスクを中心に、「リスクコスト」という概念を持って評価を行っています。
「リスクコスト」とは、以下の4つのコストの総体をいいます。
- ・「リスクコスト」
- ①保険料その他のリスク移転にかかわるコスト
- ②保険その他からてん補されない損失
- ③リスクコントロールにかかるコスト
- ④リスクマネジメント管理費
これらコストを長期的に平準化し低減することにより、企業目的の達成を支援することがリスクマネジメントの役割といえます。
リスクマネジメントの方法
リスクマネジメントは一般的には経営管理(マネジメント)の一専門分野です。リスク処理に関する専門的な意思決定プロセスは、次のようになります。
①リスクの調査・分析
まずどのようなリスクが存在するかを明確にします。そして明確化されたリスクの発生頻度と損失額を分析します。
②リスク処理手法の検討
リスクをどう回避、防止、軽減、移転できるかを考えます。これを「リスクコントロール」と称しています。
さらに発生する損失に対する資金手当てを考えます。これを「リスクファイナンス」と称します。
③最適手法の選択
「リスクコントロール」と「リスクファイナンス」の最適手法のミックスを、企業目的に合わせて決定します。
④指導・実行
企業内で組織的にプログラムを実行します。リーダーシップが問われるプロセスです。
⑤統制(チェック)
プログラム改善のためのプロセスです。リスクは常に変化し、リスク処理手法も変化します。
常にモニターし、改善点をフィードバックすることが肝要です。
リスクマネジメントに関する事項は、私たちにご相談下さい。
リスクが顕在化してからでは手遅れです。
早期にリスクを分析し私たちと一緒に対策を考えましょう。
※参考文献 企業リスクマネジメント (ダイヤモンド社)
総合探偵社ラストエージェントとは、どんな探偵社?他社とどう違うの?
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